長らく放置状態でしたが、ようやく新しいプロジェクトに向け、方向性が定まってきました。今後の動向を記録していくためにも、ブログを再開したいと思います。
これまで放課後等デイサービスにおいて数々の絵画創作活動を提供してきました。子どもたちの作品はどれも素晴らしく、「感受性に障害はない」という確信はアトリエまごころを立ち上げた時と変わりありません。
そもそも「アトリエまごころ」は、放課後等デイサービスという存在や、「発達障害」というカテゴリに分けられた子どもたちの現状をもっと社会に広めたいという思いから立ち上げました。実際に絵画指導だけでなく、放課後等デイサービスで支援員として従事するようになり、改めて「発達障害」の子どもたちについて深く考えさせられました。デイを利用している子どもたちから「ここ(放課後等デイサービス)に来る子はみんな病気でしょ?」新しく利用する子どもが入ってきたときに「あの子は何の病気なの?」の質問をされます。子どもたち自身も「障害」を「病気」と思っていたり、世間一般からすれば、放課後等デイサービスに通う子どもは「障害児」というレッテルを貼られるだけのコンテンツに過ぎないのです。
「発達障害」は細かく言えば、学習面だったり、コミュニケーションの面だったり、一人ひとり形が違います。しかし、子どもたちと普段触れ合っていると、楽しいときに笑って、嫌なときは怒ったり泣いたり、何かを達成できたら喜んで、何ら定型発達の子どもたちと変わりないですし、むしろデイに通う子どもたちの方が純粋で繊細です。学習能力にしろ、コミュニケーション能力にしろ、「この年齢だとこの基準に達しているべき」という社会が決めた「基準」「標準」に達していないことで「発達障害」と群杯されるのであれば、もはや社会に障害があると考えるべきだと私は思うのです。
例えば、目の前に青く澄んだ美しい海が広がっていて、それが汚染されている事実を知った時、「美しい海を守りたい」と思うでしょう。私にとって、子どもたちは「美しい海」なのです。社会の偏見という名の汚染から、子どもたちの未来を守ってあげたいという思いで、新しいプロジェクト「ヴァリアス」を始動しました。
はじめは単純に、放課後等デイサービスの日常の内容を紹介するツールとして、「情報誌」という出版系で考えていたのですが、ここ数日、様々な方々からの御意見を拝借して、「放課後等デイに通う子どもたちの絵を販売する」という一つの大きな方針に至りました。売上金はもちろん絵を描いた子どもたちが受け取り、子どもたちの自己肯定感を与えることが第一の目的です。第二は、その作品を描くまでに至った経緯や背景を、放課後等デイでの様子、ご自宅での様子を取材し掲載することで、他事業所の支援者、障がい児を持つ親御さんへ役立てもらえることです。
粘土細工で言えば、まだ細い針金一本を立てた段階ですが、これからどんどん骨組みをして、しっかりとした土台作りからはじめたいと思います。